Nature Towel Factory 誕生の地

「Nature Towel Factory 自然と共生するタオル工場」の発祥の地である大阪府泉佐野市上之郷は、皇室ゆかりの地として豊かな自然環境と共生する文化を育み、その文化を継承するための信仰を大切に守り続けてきた地域です。
「上之郷」は、大和政権が発足した奈良時代に国を統治した後醍醐天皇の皇后の妹君である「衣通姫 ソトオリヒメ」がお住まいになった住居「茅渟之宮 チヌノミヤ」が置かれた地であります。この土地は、古くから葛城山に連なる和泉山脈に守られ「災害が少なく」「穏やかな気候」に恵まれた地として人々に愛されてきました。自然が生み出した住みよい環境に住み着いた人々によって、上之郷のそうした豊かな自然環境と、それらを守り繋いでいくための文化は守り続けられて来ました。

上之郷の地に住み着いた人々(以下、上之郷の民)は、年間雨量が少なかった地域の課題を解決し、より豊かな暮らしを目指して「水」という生命の活動に必要不可欠な資源を、効率良く得るために雨水を貯めるための水瓶(ため池)を地域内に数多く作り、そうして貯水した水を無駄にすることなく地域に住む人々へと届けるため「用水路と関」を作られました。

そうした地域の自然環境から得られる水資源の恩恵に感謝の心を持ち続けるため「上之郷の文化」は生み出され、またその文化を継承するために、上之郷の民は氏神様に、葛城山に祀られている雨乞いの神様(水の神様)をお招きしました。水資源への感謝の心を、未来に生きる上之郷の民へと伝承するための拠点として上之郷の氏神様の一つ「意賀美神社」が建立されました。また、上之郷の民にはもう一つ崇敬している氏神様が存在しています。それは日根神社(別名 大井関大明神)に祀られている日と根の二柱の神様です。大井関大明神は、葛城山に連なる和泉山脈から滲み出る岩清水によって生まれる河川「樫井川」に大きな「関」を作って民を潤わせたという伝承を残す地域(日根野・上之郷・長滝)の氏神様です。こちらの神社の境内には「大きな関」があり、その関から上之郷を含めた近隣エリアへ樫井川の水の恩恵を届ける用水路(井川 ゆうがわ)が引かれていることから、この辺りでは農業が盛んに行われてきました。明治以前の時代では、この辺り一帯の田畑では綿花が栽培されていたことも有名です。和泉山脈の麓に広がる扇状地を開拓し作られた地域でもあったことから、水はけがよく有機質な土壌が綿花にも好まれ、また雨も少なかった上之郷地域では良質な綿花を栽培することができていたという伝承も一部で残されています。