タオルの一貫生産工場の爆誕

私達のタオル工場は「 唯一無二

【なぜ、一貫生産工場なのか?】
私たちは、分業が常識のタオル製造業界の中で、自社だけでタオルを一貫製造(紡績後の糸から最終製品化)する一貫製造工場を2007年に完成させました。タオルの一貫生産工場は、国内では唯一。これまで、タオルのコストを下げるために完全分業化に加え、能率性や効率性を追い求めてきたタオル製造産地では、多種多量の化学薬剤を必要とし、タオル製造の一部を担うメーカーは、メーカーそれぞれが担う工程のみの技術や知識を有していることから、各工程での製品の管理方法や環境リスク・人体リスクへの危機管理や管理方法は、完全にブラックボックス化されています。そのため、どのような生産管理のもとでタオルが作られているかについて、分業の中で全てを把握することは不可能ということがタオル製造業界の常識でありました。
そんなタオル製造業界の常識から抜け出し、全ての管理を自ら行なっていくために、私たちはタオルの一貫生産工場を作り上げ、すべての工程を自分たちで管理し、自分たちの手で一行程ずつ自ら手がけていく技術を磨き上げたことで、全ての工程を把握でき且つ環境に対する配慮も妥協無く取り組んでいく環境を整えてきました。

また、ここで特筆すべきことは生産者である自分たちの健康を守れるタオル製造環境を、一貫生産工場を実現したことによって手に入れることができたということです。

一般的なタオル製造では、石油由来の化学糊剤で糸をコーティングし、糸の強度を高めて高速で織り上げれるようにする加工(サイジング)や、化学薬剤(蛍光染料)によって染め上げられた繊維やポリエステルなどの石油由来の繊維を、織り上げる際に飛散する風綿が工場内に飛び交います。このような風綿を肺に吸い込んでしまうことに対して専門家は、発癌性があると懸念しています。
綿の油分や不純物を取り除く精練加工や染色などを行う工程においても、高濃度の水酸化ナトリウムを高温で炊き上げる形で使用するため、ゴム手袋はもちろん、マスクは必須アイテムとなっておりますが、長期間その工程で働くと様々な化学薬剤(蛍光染料・添加剤・助剤・芳香剤)による人体への影響が懸念されています。そうしたタオル製造業における働く人の人体汚染リスクに対しても、私たちは自らの手で自分たちの健康を守るために、タオル業界の常識に捉われぬ形で、独自の研究と技術革新を進めてきました。

一貫生産工場を持ったことによって、タオル製造における全ての工程を把握し、それぞれの工程の技術を習得し、またタオル作りの極意を身につける中で、綿という素材の本質に目を向けることができたことで、自分たちの身体や心の健康を守り続けられる状態「タオル製造との共生・タオル製造におけるウェルビーイング」を作り上げることができたことは、まさに幸運というべき成果でした。

【なぜ、単一綿なのか?】
私たちは、綿の研究で「混綿(品種違いの綿を混ぜ合わせること)」を行った時の、綿の変質(性質変化)の実態を発見しました。
それは、品種違いの綿同士が互いの異なる性質が衝突を起し、時間の経過の中で性質を変化させるという綿特有の特徴でした。

一般的なタオル製法では、化学薬剤による処理によってセルロースのみの状態まで晒しきるため、全く関係の無い世界の話となってしまうのですが、私達のタオル製法では、そのような綿の性質変化は製品の品質の安定性を欠いてしまうため、私たちは異品種または異産地の綿を混ぜ合わせる「混綿」を避ける判断を、2019年に決定し、それまで使用していたアメリカ産の有色の有機綿(オーガニックコットン)「サリーフォックスのオーガニックコットン(グリーン&ブラウン)」を使用停止しました。

それ以降は、ウガンダ産有機綿(ウガンダオーガニックコットン)のみを使用してタオルを作る単一綿・単一素材使用型のタオル製造に完全に切り替え、ウガンダ有機綿のみを扱うタオルの一貫生産体制を構築してきました。(風綿は全て、ウガンダオーガニックコットン)

また、現在の「まじめんタオル」は収穫から5年以上寝かせたウガンダ有機熟成綿を使用し、有機綿特有の天然撚りが落ち着き始める時間を待って、タオルに使用しています。綿は、まさにワインやウイスキーのように寝かせることで綿の特徴は際立ちます。ファストファッションの台頭によって、スピード感が重視される繊維・アパレル業界において、私たちは「まさに逆行者」と揶揄される存在です。しかし、私たちは綿のことを誰よりも知る者として、タオルを通じて綿の魅力をお届けできればと考えています。

【なぜ、単一製法なのか?】
私たちは、2015年に「循環型環境ストレスフリーを実現したタオル生産プロセス」を構築して、日本水大賞、ものづくり日本大賞で経済産業大臣賞を受賞してきました。この時、私達が開発したタオル製法「自浄清綿法」の可能性に産業技術研究所や国立科学博物館の研究者が、タオル業界の歴史を大きく変える技術革新と驚き、私たちは上記で紹介した厳格な表彰制度で、名誉ある賞の受賞に推薦されることになりました。

私たちは、「一貫生産工場」「単一綿の使用」「単一製法」という他に類が無い唯一無二のタオル製造で、これまでのタオル製造業界が積み重ねてきたタオルの歴史に、大きな変化を与えるタオル製造企業として、世の中へ「新しい価値を持ったタオル」を送り出し、タオルを使う全ての人達の「タオルに対する概念」を変え、タオルを通じて社会のサスティナビリーの実現に貢献し、私達の目標でもある「いのち輝くタオル作りで、地球を笑顔にしていくこと」に挑戦し続けていきたいと考えています。